血尿を指摘されたら
尿に血液が混ざる状態を血尿といいます。腎臓、尿管、膀胱など尿の通り道から出血することによって起こります。
尿の色が赤色に変色することを肉眼的血尿といいますが、尿の色に変化がなくても血液が混ざっていることがあり、これを顕微鏡的血尿といいます。
血尿は泌尿器科が担当する尿路系の疾患と、腎臓内科が担当する糸球体疾患の2つに分けられます。糸球体疾患はたくさんの病気が含まれますが、検査や治療をせずに放っておくと腎臓の機能が悪化してしまうことも多いです。
例えば健康診断で血尿を指摘された時にはまだ症状は出ていないことも多いのですが、放置すると病気によっては急激に進行してしまう可能性もあります。
血尿を指摘された場合は、お気軽に当科までご相談ください。
蛋白尿を指摘されたら
尿に蛋白が混ざる状態を蛋白尿といいます。健康であれば、尿から体の大切な蛋白はほとんど漏れません。
腎臓に異常がある場合に尿から蛋白が検出されます。蛋白尿の量が増えると顔や足がむくんで体重が増えてくるなどの症状が出てきます。
蛋白尿を引き起こす腎臓の病気はたくさんありますが、放っておくと蛋白尿が増え、腎機能が悪化してしまうものもあります。
健康診断などで蛋白尿が見つかった時にはまだ症状はないことも多いのですが、放っておくと急に腎臓の機能が悪化してしまうかもしれません。
蛋白尿を指摘された場合は、早めに専門医を受診することをお勧めします。ぜひ当科までご相談ください。
腎機能障害を指摘されたら
腎機能が低下した場合、自覚症状として「むくみ」や「血尿」は比較的気づきやすいですが、進行するまでは自覚症状に乏しいのが特徴です。
そのため腎機能は採血を行い、血液中のクレアチニン値を用いて評価します。
腎機能の低下スピードにより急性の経過(数時間から1週間程度の経過)で腎機能の低下がみられたものを急性腎障害(AKI)、慢性の経過(数か月から数年)で腎機能の低下がみられたものを慢性腎臓病(CKD)と呼びます。
腎機能が低下した原因を調べるため、他の疾患や使用中の薬剤の確認、採血や採尿また画像検査の他に、腎臓の一部を採取して調べる検査(腎生検)が必要となることもあります。
治療としてAKIは元の腎機能までの改善を目指しますが、改善せずCKDに移行するものもあります。対してCKDの治療の目的はその進行の予防になります。具体的には血圧に対する治療、腎機能障害に合併する貧血や電解質異常に対する治療、また減塩やたんぱく質制限などの食事療法を行います。
CKDが進行すると、塩分や水分の排出、老廃物の排泄が出来なくなり、体内のバランスを保つことができなくなります。進行すると自覚症状に吐き気や食欲不振、全身の痒み、むくみ、貧血、精神状態の悪化といった症状が出現するようになります。この状態を末期腎不全といい、腎臓の機能を代わりに行う腎代替療法を行う必要があります。腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、腎移植があり、当院ではそのいずれも受けることが出来ます。
高血圧と言われたら
日本人の3人に1人が高血圧と言われています。高血圧は特に症状はありませんが、血管を徐々に障害し、将来血管の病気(心筋梗塞や脳梗塞等)を引き起こしてしまう恐ろしい病気です。ですから、高血圧を治療することは、数年後もしくは数十年後の血管を守るということに繋がります。高血圧の診断基準は、病院での血圧で140/90 mmHg、家での血圧で135/85 mmHgです。
中でも家での血圧が重要とされており、是非高血圧と言われたら、家の血圧を定期的に測定して下さい。血圧計は、手首ではなく二の腕で測るもので、朝・晩測定出来れば理想的です。
そして治療の中心は、減塩(6g/日以下)となります。ですが減塩と言われても、難しいことも多いかと思いますので、一緒に話し合いながら治療していきましょう。