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聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 神奈川県川崎市宮前区

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留学記 abroad-1

From Boston, Brigham and Women’s Hospital

聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 寺下 真帆

 

お便り第一弾

みなさまお変わりありませんでしょうか。ご報告が遅れまして申し訳ありません。
一言で言うと、元気にしております!

2022年12月から、ボストンにあるBrigham and Women’s Hospital(BWH)の村上尚加先生の元に研究留学させていただいております。
BWHといえば、世界で初めて腎移植を行った病院であり、
村上先生のラボがあるTransplant Research Center(TRC)の壁には、当時の写真がさりげなく掲示されています。
(みんなが使うメールボックスの上に飾られているなど)

 

 

村上ラボのあるフロアには複数の研究室があり、多くのポスドクが働いています。
その多くはアメリカ国外から来ており、イタリア、フランス、ブラジル、レバノン、インド、中国、韓国などなど、本当に多様なメンバーで構成されています。
英語以外の言語も飛び交っていて、日本ではなかなか経験できない環境です。もちろんラボの公用語?は英語ですが、それぞれにアクセントがあり、英語も多様です。みんな第二言語のはずなのにとても流暢に喋っています。私は、英語で話しかけられているはずなのに、何を言われたのか全くわからないことが多々ありますが、何度も聞き返す度胸はつきました。

 

村上先生の計らいで、研究以外にも様々なことを経験させていただいております。
この2ヶ月で、脳死・心停止ドナーの臓器摘出に1回ずつ同行させていただく機会がありました。
摘出チームの先生たちはスクラブのまま車に乗り込んで、現地でその病院のスクラブにまた着替えるというスタイルでした。何度も摘出に訪れている病院というのもあってか、事もなげに進んでいきました。執刀直前に、ドナーに対する感謝や愛が詰まった言葉がスタッフによって読み上げられており、文化の違いが感じられて印象的でした。
腎臓は摘出された後、還流装置(参考https://www.nature.com/articles/s41598-020-74839-7/figures/1)につなげられており、その際のperfusion indexもレシピエント病院がこの腎臓を受けるかどうか決める一つの要素になっています。
腎臓は摘出されてからマッチングが決まるため、それまではこの還流装置につながれているとのことでした。腎臓の質によっては最終的に提供されない事もある、など多くの違いがあります。
今回は車で行ける距離だったので、Donor Serviceの専用車がドナーのいる病院への送り迎えをしていました。帰り道には食事が提供されて、私もちゃっかりハンバーガーをいただきました。

 

生活の方も少しずつ慣れてきました。
1軒家のシェアハウスに住まわせてもらっていて、大家さんとその娘さんが2階に、3階に2人、半地下に私というメンバーです。1階は玄関、キッチンとリビングがあります。
半地下と言っても、表通り側は地下に埋まっていて、裏通側はバルコニーがついていて外に出られるようになっており、感覚としては1階みたいです。もちろん上の階に比べると薄暗いので、外に出て光を浴びたりキノコを食べたりしています(大家さんにそうするように言われた)。
大家さんは神経内科医で、他の2人もポスドクをしているので、生活のことも仕事のことも相談できる素晴らしい環境です。(あとは私の英語力だけ…。)特に、大家さんの娘さん(11歳)は、私の英会話の先生でもあり、ベストフレンドでもあります。

 

困っていることは、知らない電話番号からの電話がとても多いことで、ソーラーパネルの勧誘やら、煙突掃除の紹介やら(煙突があるお家が多いのでしょうか)、寄付金募集やら、1日に3件ぐらいかかってきます。電話だと尚更何を言っているのかわからなくて、ようやく最近ソーラーパネルを押し売りされていることに気がつきました。聞き返しているうちに、相手がめんどうになってきて電話を切ってくれるとラッキーと思えるようになりました。

 

みなさんのおかげでこのような貴重な経験をさせていただいていること、心から感謝しています。
とにかく思い切り楽しんで満喫して恩返しできるように頑張ります!

 

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