海外留学記 From Boston, Brigham and Women’s Hospital
聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 寺下真帆
海外留学記 From Memphis, Tennessee
聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 谷澤雅彦
国内留学記
聖マリアンナ医科大学での半年間の国内留学
私は、2014年7月から12月までの半年間、聖マリアンナ医科大学腎臓高血圧内科で勉強させて頂きました。聖マリアンナ医科大学腎臓高血圧内科の特色として、病棟チーム・血液浄化チーム・コンサルトチームに分かれて診療しているところにあります。
病棟チームでは、急性腎障害、慢性腎臓病(ブラッドアクセス管理も含め)、糸球体腎炎の精査・加療などの診療で腎臓病疾患に必要な知識・技術を学ぶことができました。血液浄化チームでは他科に入院中の維持透析患者さんの診療を行いますが、大学病院であるがゆえに重症疾患や特殊疾患が多く維持透析患者さんに生じ得る合併症とその管理、そしてアフェレーシスやCRRTを学ぶことができました。コンサルトチームでは、他科からのコンサルト症例を診療しますが、ここで電解質異常、入院発生の急性腎障害、泌尿器科の先生方と腎移植症例の診療にあたり、それらの知識を幅広く身につけることができます。聖マリアンナ医科大学腎臓内科で身につけたこれらの知識と技術は現在の診療でも大いに役立っています。
ただ、何より私が聖マリアンナ医科大学腎臓高血圧内科で学んでよかったと思えるのは、知識と経験が豊富で母校愛に満ちた聖マリアンナ医科大学腎臓高血圧内科の先生方や、モチベーションの高い国内留学生に囲まれて常に刺激を受けながら日々の生活を送ることができたことです。
自分の診療の至らない部分がどこかを分からせてくれた日常診療と、それを一緒に診療してくださった素晴らしい先生方のおかげで、一生の宝物となる半年間を送ることができました。
龍華 章裕
当科での後期研修の体験記
私が当科で勤務し始めたのは卒後7年目、3つ目の勤務先で初めての大学病院でした。腎臓領域のほぼ全てを網羅しており、やる気さえあれば何でもできる環境です。特に腎移植に興味がありつつも、あれもこれもと考えていた私には非常に魅力的でした。
また、勤務先が変わると文化が変わり、これまでとの違いに悩むことが誰にでもあります。当院では、多様なバックグラウンドを持つ指導医や同僚がおり、日々の診療や対話を介してより深い学びを得ることができます。なによりも私がおもしろい!と思うことを一緒におもしろがってくれる仲間が見つかったことが一番の喜びです。
新しい環境に飛び込むのは不安もありますが、得られるものが必ずあります。みなさんも新しい一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
寺下 真帆
国内留学記
私は2020年4月から2022年3月まで、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(以下、日赤名古屋第二病院)の移植外科・移植内科に国内留学させていただきました。
私は聖マリアンナ医科大学病院腎臓高血圧内科に入局して、大学院に入学し、並行して腎臓内科医として臨床に従事しておりました。本邦において腎代替療法の選択は血液透析が多くを占めますが、腎移植件数も年々増加傾向にあり、そのニーズは確実に増えてきています。移植という特殊性の高い医療ですが、当院で移植医療に従事していくにつれて、腎臓内科医としてさらに移植医療の知見を深めたいと思うようになり、日赤名古屋第二病院への国内留学を決意しました。
日赤名古屋第二病院の移植外科・移植内科は、腎移植に特化した専門性の高い診療を行っています。さらに若手移植医の育成と、移植医療普及のため、多数の内科医の留学を受け入れてくださっています。今回このような臓器移植の中心的施設で、移植の周術期から移植後合併症などの内科的管理を中心に数多く経験し、教科書には載っていないような臨床Tipsなどを学ぶことができました。
今後はその内容を聖マリアンナ医科大学に持ち帰り、よりよい移植医療を提供できればと思っています。この場を借りて、留学の機会を与えてくださった
当科のスタッフの皆様に深謝申し上げます。
大迫 希代美
ライフイベントとの両立
時短勤務
私は聖マリアンナ医科大学を卒業後に他院で初期・後期研修を行い、母校である当医局に入局させていただきました。
数年後に約1年間の育休を取得し、時短勤務で復帰いたしました。
妊娠中から医局の先生方には大変ご配慮いただきましたが、復帰したあともやはり子供の体調などで突然勤務できなくなることがあったり、忙しい時に時間になるとお迎えに行かねばならなかったり、申し訳ないという気持ちをやはり感じてしまいます。それでも医局の一員として尊重していただいているというありがたさを日々実感しており、まだこの環境で勉強したい、大学病院で得られることを学びたい、という気持ちで続けております。
保育園に子供を迎えに行ったときの喜ぶ顔を見るのが1日の楽しみであり、このような環境で働けていることに感謝する日々です。
当科は診察する範囲も広く、女性が続けるにも様々な選択をしていける科であると思います。ライフイベントを経ても当医局の一員として臨床を継続できております。子育てとの両立、まだまだ私にも課題はありますが、皆様とご一緒できるのを楽しみにしています!
藤島 理恵
男性の育休休暇
当科独自の制度の一つとして、男性育児休暇があります。本邦では、男性医師が気軽に育休を取得できる体制はまだ十分でないというのが現状だと思いますが、当科では希望者には積極的に育休の取得を勧めています。実際、どの先生方も嫌な顔一つせず、育休取得を快く歓迎してくださいました。子供が生まれたタイミングで、保育園に入れる時に、など希望者のニーズに合わせて休暇時期の調整が可能で、各々のライフスタイルに合わせた活用ができます。
私の場合は妻の職場復帰に合わせて、育休を2週間取得させていただきました。長期間の産休・育休から復帰するのは、誰にとっても大きな負担になると思います。その大変な時期に、自分が育児や家事を担うことで、妻を身近からサポートできたことはとても有難かったですし、何より嬉しかったです。もうすぐ7カ月になる娘と普段以上に側にいることができたのも自分にとって大きな財産になりました。
当科では臨床・研究・教育という仕事の側面だけでなく、家庭への支援体制も力を入れています。私は入局してまだ1年弱ですが、今の環境に心から満足していますし、自信をもってお勧めできます。皆様と一緒に、仕事も家庭も大事にできる医師を目指していけたら幸いです。
野田 竜之介
大学院(基礎研究)
大学院1年半のベッドフリー(病棟業務の免除)期間で、基礎研究と臨床研究に従事しています。元々、学生時代に漠然とですが、基礎と臨床をつなげるようなことがしたいと思っておりました。それが実際に実現可能な環境にあり、とても幸運だと感じております。
基礎研究では解剖学教室の池森教授の指導のもと、マウスやラットを使用した実験を行っています。私が取り組んでいるテーマはサルコペニア予防です。一見すると、単純そうにも見えますが、理論通りに行かないことは多々あり、逆にそこまで期待してなかったメカニズムが分かったりするなど、奥深い分野です。1年半とごく限られた時間で基礎研究の結果を残すことはとても困難とされますが、指導教授によるご指導はもとより、研究技術員の方々からの手取り足取りの技術指導により、無理・無駄なく研究が進められる体制が整っています。
臨床研究では明治大学理工学部との共同研究を行なっています。筋血流を測定するデバイスを使用し、透析中の筋血流を動的に観察します。臨床試験計画書や説明書の作成や倫理委員会のヒアリングなども経験することで視野が広がりました。
大学によっては4年間丸々ベッドフリーで基礎研究するところもあれば、臨床しながら研究もするところもあります。私にはこの1年半程度が臨床医としての感覚も大きく損なわれず(実際には当直業務もあり完全に臨床からは離れません)、ちょうど良いのではと感じています。解剖学教室のスタッフの方々も大いにサポートして下さり、とても楽しく充実した研究生活となるはずです。
研修後の進路
- 宇都宮 腎・内科・皮膚科クリニック
- 大阪大学老年総合内科
- 京都府立医科大学腎臓内科
- 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療疫学分野
- 滋賀医科大学医学部腎臓内科
- 島根大学医学部附属病院腎臓内科
- 聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科
- 東京医療センター腎・内分泌代謝科
- 東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
- 東京高輪病院内科(腎臓)
- 獨協医科大学循環器・腎臓内科
- 豊橋市民病院腎臓内科
- 豊見城中央病院腎臓・リウマチ膠原病内科
- 長崎県対馬病院内科
- 福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター
- 松江赤十字病院 膠原病・腎臓内科
- 横浜市立大学医学部腎臓・高血圧内科
- 琉球大学医学部附属病院第3内科